2014年6月23日月曜日

日照山極楽寺

長命杉は、極楽浄土を思わせる庭園を通りぬけ数段の石段を上がったところに、
ひっそりと、しかし、堂々と立っていた。
幹にかけられた紅白のヒモ。そのひもを両手で持って、私たちは祈った。


弘法大師お手植えのこの杉は少なくとも樹齢1100年は超えているという。そして、この木の肌に触れると、その逞しい生命力の感応によって長命を保ち、 天寿を全うすることができるという信仰が永く伝えられている。
私たちは、その老大樹を見上げた。30メートルはあるらしいその杉の枝葉には緑が生い茂っている。それだけでも、この木の生命力のすさまじさに圧倒されるのだ。
霊気は、この木の幹に巻かれた紅白の紐をつうじて受ける。千年以上の風雪に耐えた老杉の霊気を受けると、長寿だけでなく病気平癒・身体健全・諸願成就が叶うと言われている。
わたしたちは紐を両手で持ち、目を閉じて一心にその霊気を受けるため心を静めた。
―どうか、彼女に命の力を与えて下さい。


―パワーもらえたかな?
「1100年も生きてる老杉よ。パワーもらえたよ。みんな、あと50年はイケるよ」
―そうそう、50年はいける、いける
SさんもNさんに同調して言った。


―あのねえ、50年はムリよ。せめて40年にして。
彼女たちより10歳は年上の私は、真剣に言った。でも、私の年を知ってか知らずか、SさんもNさんも平気な顔をして、繰り返す。
「50年よ。それくらい、元気で生きなければね。」


Nさん、本当にそうだね。もう、何も心配いらないよ。長命杉から命のパワーをもらったから。
願掛け地蔵にもまいったし、みんなでお参りしたし、お地蔵さんもこの老杉も、きっと私たちの願いを聞いてくるよ。
50年なんて言わない。でも、まだまだ、わたしたちには、やらなければならないことがたくさんある。
だから、ともにがんばろう。


Nさんの3回目の入院が、また、やってくる。



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